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BIKE FRIDAY 25周年を迎えて。

下記は、日本時間の2017年4月21日に配信されたメッセージです。


最初のバイクフライデーは、いかにして誕生したのか。

共同創立者 アラン・ショルツ

1992年に最初のバイクフライデーは、納車された。私たちはそれを「Sport 14」と名付けた。現在は、ニューワールドツーリストとして知られ、今もなお最も人気のある車種だ。
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最初のバイクフライデーが誕生する以前には、個人の解放があった。自転車だ。

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これは、私が18歳の頃。自分の新しい自転車が軽くて指一本で支えられることにとてもワクワクした。ーアラン

私の弟と私は、バイクショップで育った。ハンズは、10歳年下だ。私は、両親の家の地下で17歳の時にショップを始めた。私たちは、遠征し、ノースダコタの平原でレースをやった。自転車の何もかもが大好きだった。私たちは、学んだ。フィットしていて、乗り心地が良くて、時速30マイルのファーゴの向かい風に必要なギアがある自転車は、私たちに動き回る自由を与えてくれることを。私たちにとっては、解放だった。ハンズは、15歳でレース用のフレームを作り始めた。彼はメカニックの天才だ、と私は思っている。

自力で動き回る自由 = 二人の若者にとっての解放

そして、私たちは丘があって風が少ない、他の場所で自転車に乗りたくなった。

夢であるヨーロッパへの自転車旅行で、ハンズは自分の自転車と取っ組み合った。自転車と旅するのはキツかった。それにその自転車は、車・タクシー・電車の手荷物用棚・飛行機のスーツケースにフィットしないし、梱包して別々に送らなければならない。希望としては、先方に一緒に着きたいのに。余計なお金はかかるし。米国では、電車でさえ自転車を持ち込むのを容易にさせない。

1970年代と80年代、私たちは共に、一緒に旅する自転車を探していた。やはりちゃんとフィットして、よく走って、必要なギアがある自転車を。私たちには長い間大きな期待があった。そのような自転車を私たちのような自転車の旅という夢を持つ人々の為に、だれかが作り出してくれるのではないかと思っていた。だが20年近く、要求を満たすものは何も見つからなかった。でもこの裏話が、私たちに、私たちの未来の準備をさせたのだ。

60年代後半、私はファーゴに帰って、バーレイ・デザイン共同組合(後に有名なチャイルドトレーラーとなる)をスタートさせた。
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私の娘たち。ハナ(現バイクフライデー プレジデント)とフレダ(バイクフライデービルダーの一人)。バーレイトレーラーを設計するインスピレーションになった。

後になって、バーレイを共同組合にしてそして離れ、ハンズと私はバーレイの為のタンデムを作り始めた。タンデムは、ATP(アドバンスド トレーニング プロダクツ --言葉遊びだ)と呼ばれる合同事業で、それは、ハンズと私が、バイクフライデーにつながるもう一つ別の話の始まりだった。私たちがまだタンデムを作っているというのに、ハンズはスーツケースに自転車をフィットさせるという目標を掲げて最初のスーツケースに入るトラベルバイクのプロトタイプを自分で作った。1986~7年のことだった。
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これは、恐らくハンズが最初のバイクフライデー「Sport 14」を普通のサムソナイトのスーツケースに入れているところだ。注意)トレーラーの車輪とフレームは、既にシステムの一部になっている。彼は、やったのだ。


そうしたら、ある歯科医が自分もそうしたい、と言った。

ハンズと私には偉大な歯科医がいた。私たちは、彼に自転車のことをよく話した。誰だって歯科医と自転車の話、するよね?リチャード・ガブリエル先生はバーレイ・タンデムの最初の頃のオーナーだ。彼がタンデムプロダクションショップのオープンハウスに来てハンズが作ったフォールディングバイクのプロトタイプを見たとき、彼はそれを欲しがった。彼は、そのバイクを入手できるように、私たちを後押しした。そう、ガブリエル先生がハイクオリティのトラベルフォールディングバイクの引き金だった。ここに至るまでにはガブリエル先生のように、私たちを後押ししてくれた沢山の人々の恩恵を受けている。サンキュー、リチャード。あなたは、これまでで最高の歯科医だ。

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1980年代後半のバーレイ・タンデム製作チーム。ずっと右の方にある最初のバイクフライデープロトタイプ。キッズバイクと併せて自分たちの子供らに片手間に作っていたもの。

ガブリエル先生のバイクは、2台目のバイクを作るハンズの背中を押してくれた。それから私たちは考えた……。「世界にはたくさんの歯科医がいるぞ。」私は、バイクをこんな風にしたいという他の人々に、賭けた。

もう一人、ポール・ムーアという初期の頃、私たちをあおり立てる人の助けもあって、プランニングは始まった。ポールは、ユージーンへの移住者で、素晴らしい経歴の風変わりな男だった。私たちは、『ロビンソン・クルーソー』から由来した名称:「バイクフライデー」や私たちのグリーンのルーツを表現している「グリーン・ギア・サイクリング」は、彼の功績だと思っている。ポールはまた、有名で30字に満たない広告を書き、その広告で私たちをビジネスへと持ち上げた。その広告は、こうだ「NO JOKE! and ABOUT TIME! ジョークじゃないよ。もうすぐだ。」そして、自転車雑誌の後ろに載った。皆さんの中には1992年のこの広告を覚えている人がいるかもしれない。また皆さんの中には、ポールからの(eメールではなく)郵便で最初のバイクフライデーを買った人さえいるかもしれない。

こうして「Sport 14」は、タンデム・ショップで誕生した。次の2つの自転車雑誌のレビューにより、バイクフライデーは有名になった。1992年エイプリルフールの日、だけど冗談じゃない。一つのレビューは後に自転車雑誌でこう書いている「あなたの最高のバイクのように走る。」うわっ!バーが高くセットされていた。

電話が鳴り始めた。私たちは、虎のしっぽを持つとは思ってもみなかった。だが自転車のディーラーは、言った。気は確かか?フォールディング・バイクに800ドルも払う奴がいるものか! ほとんどのフォールディング・バイクは300ドルかあるいはそれ以下で、現実的に「乗る」のに良いバイクとして考えられていなかった。そうしたものは、ひどい引き渡しで、ちゃんと設計されたトラベルバイクでは全くなかった。ディーラーと呼ばれる人たちは、誰もワクワクしなかったのだが、「もうすぐだ。」という言葉に彼らは同意した。フォールディング・バイクは言われのない非難を受けていたので、私たちは、自分たちのものをトラベルバイクとか「世界初のスーツケースバイク」と呼んだ。

何年も沢山の人々は、バイクフライデーにはまた、素早く畳めるという利便性があることに気付かなかった。この取り違えにより、欧州の販売では多くの損をした。そこでは素晴らしい列車のサービスがあり、飛行機でのスーツケース・バイクの必要性を感じなかったのだ。

重大な決断

それで、ハンズと私は、重大な決断をしなければならないと考えた。設計し、製作し、市場に出し、販売する。これを全部自分たちでやるのか? どうやって、このバイクを全ての自転車乗りの歯科医と、フィットしてよく走って一緒に連れて行けるバイクを本当に求めている世界中の人々に届けるんだ? 私たちにはバイクを設計し、製造するだけでなく、市場に出し、販売する必要があることも分かっていた。バーレイ共同組合の人たちでさえ、沢山の人々が、どこにでも支障なく一緒に行けるホンモノのバイクを欲しいと思っている事を理解していなかった。私たちは、受注生産の販売と納車するチームを作り上げなければならないと実感した。そのチームは、販売し、(しばしば)夢の旅行に間に合うようにバイクをカスタムするチームである。

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最初のモノ・チューブスタイルのバイクフライデーを作ったチーム全員。セールス、マーケティング、経理、仕入、フレーム製作、出荷…..全ステップが車3台分の車庫の大きさの小さなショップにあった。

この決断は、歴史の中で重要な時だった。ほとんどのメーカーは、製作だけに焦点を合わせて、販売は小売業者に任せたいと思っている。でも私たちは、決めた。両方をやらなければならないと。お客さんと一緒になって、お客さんがやることを理解し、セールスするパートナーが見つからなかったので。クレイジーだった。私たちには、お金がほとんどなかった。でも、お客さんと直接パートナーを組み、頑張ってやってみると決めた。私たちは、沢山のお客さんがガブリエル先生のように、新しい素晴らしい友達になるだろうと思った。そして、それが現実になった。ワオ!なんて控えめな表現なんだ!

- アラン・ショルツ- ダコタ・ノマドおよびソフテック・アーキテクチャル・プロダクツ 創業者。
バーレイ・バイク・バック、バーレイ・デザイン共同組合、共同創業者。バーレイ・トレーラー設計者、(空飛ぶ自転車バイクフライデーという通称を使った)グリーン・ギア・サイクリング社 共同創業者。
- 2017年4月 バイクフライデー 25周年を記念して。



(訳:ehicle 長妻 睦子)

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